塩分摂り過ぎに注意を

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社会医療法人慈生会等潤病院 伊藤雅史院長・理事長

  日本人は欧米人に比べて塩分摂取が多く、塩分の摂り過ぎが高血圧を引き起こしやすい体質であることが分かっています。日本人の1日の食塩摂取量は減少傾向にはありますが、厚生労働省の国民健康・栄養調査(2019年)によると成人で平均10.1g(男性10.9g、女性9.3g)。同省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」が設定している目標値の男性7.5g未満、女性6.5g未満をそれぞれ上回っています。

 ちなみに、世界保健機関(WHO)が2012年のガイドラインで推奨しているのは5g未満です。なお、塩分表示でナトリウム(Na)量と書かれている場合は、その2.5倍が塩分相当量になります。

 「病院の食事はまずい」などとよく言われますが、高血圧などの治療食の1日塩分量は5~6g未満に調理されており、味が薄いことが大きな原因であると思います。ちなみに、梅干し1個の塩分量は約2.5gです。

 ただ、入院中に食事が進まず栄養が低下したところで、塩分制限のない食事にした途端、元気になったという話もありますので、考えさせられます。

 逆に外食やインスタント食品は塩分が多く、注意が必要です。麺類の汁は飲まない、みそ汁は具だくさん、酢・うまみ・薬味を使っておいしく、醬油はかけずに小皿でつけるなど工夫し、肉料理を減らし野菜・大豆製品・海藻類を使った副菜を増やします。

 以下は、加工食品などの塩分含有量の目安です。推奨摂取量と比べてみてください。

出典:わたしの食事カルテ(メディカル・データ・ビジョン発行)

管理栄養士 宗像伸子先生 監修

参考:厚生労働省 令和元年国民健康・栄養調査結果の概要

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000687163.pdf

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586565.pdf

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