潰瘍性大腸炎、男女とも40代患者が多い

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 潰瘍性大腸炎とは、免疫機能の異常により大腸の粘膜が慢性的に炎症を起こす自己免疫疾患です。主な症状として、腹痛、下痢、血便などがあり、重症化すると大腸がんを合併するリスクが指摘されています。

 潰瘍性大腸炎の患者数を男女・年齢別に見ました。男女ともに40代が最も多く、その後は、加齢とともに減少傾向となりました。男性の方が女性よりも全体的に多いことが分かりました。

 潰瘍性大腸炎の四半期別の患者数の推移を見てみました。全体として増加傾向にあり、特に2021年以降は右肩上がりで推移していることが明らかになりました。

■医師のコメント

水戸済生会総合病院 消化器センター長
丸山常彦 医師
 潰瘍性大腸炎の主な兆候は下痢を伴う血便だ。自覚症状で血便があって、それも持続的ならば早期の受診をお勧めしたい。
 
 臨床現場の感覚では、男性だけでなく女性でも多く見られる。MDVの年代別データで40代に多いが、若年で罹患するケースも少なくない。若いと血便が出ても人に伝えるのを恥ずかしがって、受診するタイミングが遅れることがあることにも留意しておきたい。

 確定診断には大腸内視鏡カメラで、大腸の炎症の度合いをチェックする。潰瘍性大腸炎は、完治は難しいので、長く付き合っていくしかない。薬物療法を続けることで寛解(症状が一時的に軽快・消失した状態)維持につながるので、服薬アドヒアランス(患者が医師の指示に従い積極的に薬を服用、治療に協力すること)が大事になる。

 潰瘍性大腸炎の原因は不明であるが、何らかの免疫異常なので、患者さんは日頃から、過労や睡眠不足などによる肉体的疲労に加えて、心理面においてもストレスフルな環境にならないよう心掛けていただきたい。

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