健康指導が一番大切
健康診断を終えるとそれだけでほっとしてしまう、結果が届いて安心してしまう、そういう方が多いのではないでしょうか。健診で大切なことは、結果をきっかけにして今後、何をすればよいか考えることだと思っています。
賛育会病院の健康管理クリニックで実施している健康診断および人間ドックでは、特に診察時の健康指導を大事に考えており、医師が一人ひとりの診察および検査結果をもとに丁寧に説明しています。一般健診の方でも、前回の結果などを踏まえて必要な指導をします。受診したら終わりの健診ではなく、1年に一度しっかりとご自身の体と向き合う機会にしていただきたいと願っています。
社会福祉法人賛育会 賛育会病院 健康管理クリニック
島美奈子室長(助産師、看護師)
健診は生活習慣改善のスタートライン
健診で生活習慣病に関連する所見が認められる方には、帰り際にお声掛けをして、看護師が日常生活でのアドバイスをしています。例えば、体重増加が気になる方には、
① 体重測定記録(レコーディングダイエット)
② 食事はよく噛んでゆっくり食べる、まずは今より5分時間をかける
③ 食後はすぐ横にならず洗い物など家事をする
④ 寝る前2時間前には食事はとらないようにする などです。
普段の生活行動を少し変えて、継続することが何より大切ですからね。
先日も、仕事に戻らなければならないので急いでいるという受診者さんに5分だけ下さいとお願いして、お話しさせていただきました。すると、「1年後には良い結果になるように頑張ります」と言ってくださいました。なぜ生活習慣改善が必要なのかが腑に落ちれば、自分事として真剣に受け止めてくれる方が多いですね。
カルテコを利用して
ご説明の際に、「カルテコ」に登録されている方は、昨年までの健診結果を見ながら今回の結果を比較して、目標設定も一緒に考えられる点がいいですね。
とりあえず聞いてみてください
「間食がやめられない」「どんな食事をとったらいいのか」「どんな運動をしたらいいのか」など、先生には聞けないさまざまな相談があります。私たち医療従事者は、受診者さんの行動変容のきっかけになり、ご自身の健康に関心を持つ方が増えることを願っています。些細なことでも相談していただき、楽しく生活習慣の見直しに取り組んでいただきたいと思います。