健康診断は生活習慣病をはじめ、さまざまな病気の早期発見・治療はもちろん、病気そのものを予防することを目的に実施されています。健診で医師は検査結果や問診内容から「異常なし」「要再検査」「要治療」などと判定します。そのうち「異常なし」以外の人を、有所見者と言います。厚生労働省がまとめた定期健康診断実施結果によると、2023年の有所見率(有所見者の占める割合)は58.9%となりました。都道府県別で見ると、2023年は秋田県が最も高く71.1%でした。前年までは沖縄県が12年連続で最も高い県でしたが、70.8%で二番目に高く、順位が入れ替わりました。
<健診の判定区分>
A:異常なし
B:軽度異常、軽度の異常を認めますが健康上、特に問題ない所見です。
C:要経過観察・生活改善、異常所見を認めます。生活改善・再検査が必要です。
D:要医療(治療)・要精密検査(要精検)、異常所見が明らかです(がん等)。
E:治療中
次いで有所見率の高いのが山形県(69.9%)、青森県(67.2%)、高知県(66.1%)と続き、東北地方の有所見率が高い傾向にあります。一方、有所見率が最も低かったのは新潟県(54.4%)でした。続いて愛知県(55.1%)、滋賀県(55.2%)、三重県(55.5%)、千葉県(56.3%)の順です。東京都は56.4%でした。この国の有所見率の高さは、すべての国民にとって対岸の火事ではありません。