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ちゃんと知ろう自分のカラダ
佐藤雅彦さん プロフィール 954年岐阜県出身名古屋・名城大学理工学部数学科を卒業後、中学の数学の教師として勤務。その後民間のコンピューター会社のシステムエンジニアに転職。2005年51歳でアルツハイマー型認知症と診断される。「認知症であっても不便だが不幸ではない」と全国で自身の体験を語る講演を行う。「認知症とともに歩む本人の会」(埼玉県川口市)を主催。日本認知症ワーキンググループ共同代表。 🍀認知症は不便だけど工夫いっぱいの明るい一人暮らし 著書『認知症になった私が伝えたいこと』(大月書店刊)は2015年度日本医学ジャーナリスト協会賞優秀賞を受賞しました。 歩き慣れた道を散歩し、お気に入りの喫茶店にも1人でいきます ———佐藤さんは51歳で認知症と診断されてから11年間も一人暮らしをされているということですね。 そうです。ただ食事の支度が負担になってきたので、昨年6月にケアハウスに引っ越しました。ここでは食事のほかに風呂の準備もしてくれるので助かっています。 ———毎日どんな風に生活していらっしゃるのでしょうか? 日曜日は教会の礼拝、月曜日はヘルパーさんがきて掃除をしてくれます。水曜日は聖書の勉強会、週末は認知症について講演会の講師をすることもあり、地方出張や行楽地にも行きます。朝は6時に起き、調子のいい時は散歩に出ます。朝食後はFacebookの更新をしたりパソコンでその日のスケジュールを確認します。 ———本の出版もなさっていますし、こうしてお話していても記憶障害があるようには見えないのですが。 よくそう言われたりしますが、実際には直近の記憶が保てないのです。例えば私は糖尿病で自己注射をしていますがインシュリン注射を打った事を3分も覚えていられないんです。電話で人と約束をしても、何日の約束かをすぐ忘れてしまうからiPadに記録したり、お話は録音したりしているのです。前日に何を食べたかも記憶はできないので、食事も写真でiPadに記録しています。そして食事の写真を見れば食べたものを思い出せますから。 ———佐藤さんから見える世界ってどのような感じなのでしょうか教えて下さい。 例えば普通の人は町を歩いているとそれをムービーのように覚えるんだけど、私は風景をコマ写真のようにぽつぽつとしか覚えていない。だけど「町の中にあるランドマークの前をいくつか通りすぎれば目...
佐藤雅彦さん プロフィール 954年岐阜県出身名古屋・名城大学理工学部数学科を卒業後、中学の数学の教師として勤務。その後民間のコンピューター会社のシステムエンジニアに転職。2005年51歳でアルツハイマー型認知症と診断される。「認知症であっても不便だが不幸ではない」と全国で自身の体験を語る講演を行う。「認知症とともに歩む本人の会」(埼玉県川口市)を主催。日本認知症ワーキンググループ共同代表。 🍀認知症は不便だけど工夫いっぱいの明るい一人暮らし 著書『認知症になった私が伝えたいこと』(大月書店刊)は2015年度日本医学ジャーナリスト協会賞優秀賞を受賞しました。 歩き慣れた道を散歩し、お気に入りの喫茶店にも1人でいきます ———佐藤さんは51歳で認知症と診断されてから11年間も一人暮らしをされているということですね。 そうです。ただ食事の支度が負担になってきたので、昨年6月にケアハウスに引っ越しました。ここでは食事のほかに風呂の準備もしてくれるので助かっています。 ———毎日どんな風に生活していらっしゃるのでしょうか? 日曜日は教会の礼拝、月曜日はヘルパーさんがきて掃除をしてくれます。水曜日は聖書の勉強会、週末は認知症について講演会の講師をすることもあり、地方出張や行楽地にも行きます。朝は6時に起き、調子のいい時は散歩に出ます。朝食後はFacebookの更新をしたりパソコンでその日のスケジュールを確認します。 ———本の出版もなさっていますし、こうしてお話していても記憶障害があるようには見えないのですが。 よくそう言われたりしますが、実際には直近の記憶が保てないのです。例えば私は糖尿病で自己注射をしていますがインシュリン注射を打った事を3分も覚えていられないんです。電話で人と約束をしても、何日の約束かをすぐ忘れてしまうからiPadに記録したり、お話は録音したりしているのです。前日に何を食べたかも記憶はできないので、食事も写真でiPadに記録しています。そして食事の写真を見れば食べたものを思い出せますから。 ———佐藤さんから見える世界ってどのような感じなのでしょうか教えて下さい。 例えば普通の人は町を歩いているとそれをムービーのように覚えるんだけど、私は風景をコマ写真のようにぽつぽつとしか覚えていない。だけど「町の中にあるランドマークの前をいくつか通りすぎれば目...