自律神経機能は心拍変動を解析することで計測できます。心拍計のデータを活用し、心拍間隔の周波数を分析します。心拍変動の中の、主に交感神経系を反映する低周波成分パワー値(Low Frequency、LF)と副交感神経系を反映する高周波成分パワー値(High Frequency、HF)を使います。そこから、自律神経バランスを算出し、さらに自律神経活動量を導きます。この自律神経活動量とは、交感神経と副交感神経の総和で、自律神経活動が活発かどうかの目安になります。トータルパワーと言ったりもします。カルテコでは自律神経バランスを「自律神経指数」、自律神経活動量を「トータルパワー」と、それぞれ表示しています。

■自律神経に影響を与える、ストレス、食事、睡眠、運動
ストレスは自律神経に大きな影響を与え、そのバランスを乱す可能性があります。交感神経は「戦うか逃げるか」の反応を引き起こし、ストレス状況に対応します。しかし、長期的なストレスは自律神経に過負荷をかけ、身体的・精神的な不調を引き起こすことがあります。
さらに、ストレスは自律神経の病気を引き起こす可能性があり、これらの病気は体のあらゆる部分とプロセスに影響を及ぼす可能性があります。ストレス管理の方法を学び、日常生活でのストレスをうまく処理することは、自律神経と全身の健康を維持するために重要です。
また、食事も自律神経の機能に影響を与えます。バランスの良い食事は、体全体の機能を支える栄養素を提供し、自律神経が最適に働くためのエネルギーを供給します。具体的には、ビタミン、ミネラル、良質な脂質、タンパク質、繊維を含む食事が推奨されます。反対に、高糖質、高脂肪、加工食品などの不健康な食事は自律神経のバランスを乱し、その結果、身体的・精神的な健康に影響を与える可能性があります。
良質な睡眠は自律神経のバランスと健康に不可欠です。睡眠中には、副交感神経が主導し、身体と心は休息と再生のための重要な時間を過ごします。成人の場合、一晩に7から9時間の睡眠が推奨されます。不十分な睡眠は自律神経系のバランスを乱し、慢性的な疲労や不安、集中力の低下など、身体的・精神的な不調を引き起こすことがあります。睡眠の質を向上させるためには、定期的な睡眠スケジュールの維持、適切な睡眠環境の確保(暗く、静かで、適切な温度)、カフェインやアルコールの摂取の制限などが有効です。
適度な運動は自律神経の健康を促進します。運動はストレスを減らし、心拍数や血圧を制御し、免疫系を強化します。これらは全て自律神経の重要な役割であり、適度な運動は自律神経がこれらの役割を適切に果たすのを助けます。具体的には、週に150分の中等度の運動、または75分の激しい運動が推奨されます。
しかし、過度な運動は逆にストレスを引き起こすため、運動量は適切に管理することが重要です。つまり、適度な運動は心と体の健康を維持し、自律神経のバランスを保つために不可欠な要素となります。
監修 大阪大学大学院医学系研究科 倉恒弘彦 招へい教授