犬は飼い主に共感できる

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Vol.1 犬の最大のストレス要因は「退屈」

Vol.2 子犬の社会化期は12週齢まで

ーー自分の元気がないと、愛犬も元気がないように思います。

 犬は人の感情を臭いで嗅ぎ分けることができ、人間を除いた動物の中で、人の感情を読み取る能力が最も高いことが分かっています。何気ないことですが、犬が指をさした先を見る行動は実はチンパンジーなどでも難しいと言われており、人間の意図を読み取る能力がとても高いことを表します。相手の感情をまるで自分の感情のように感じることを「情動的共感」といいます。この法則が飼い主と犬の間にも存在することが最近の研究で分かってきました。

 犬は飼い主の気持ちに共感する能力を持っています。ポジティブな感情だけでなく、ネガティブな感情にも共感することが分かっています。2019年のスウェーデンの研究ではストレスホルモンであるコルチゾールを用いて、飼い主のストレスが長期的に犬に伝染することが分かりました。また、同年の麻布大学での研究では、自律神経の指標としてストレス/リラックス状態を評価することができる「心拍変動解析」を用いて、飼い主への短期的なストレスに対して約半分の犬がその飼い主の心拍変動と似通う傾向が見られ、飼い主のストレスやリラックスした状態に対して犬が共感していることが示唆されました。

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 犬がストレスを感じた時の耳が後ろに倒れる、しっぽが丸まるなどの行動学的指標は見落としてしまいがちです。「カルテコ」アプリでは、お腹や肉球などのピンク色の部位の動画を10秒間撮影するだけで、自律神経の状態や脈拍数、呼吸数が計測できます。また、飼い主さんもご自身の顔で同様に計測することができます。動物福祉の分野では、動物が幸せな状態を維持するには客観的に評価することが重要という考え方をします。愛犬の心の健康のためにも一緒にストレス度合いをチェックし、なんとなくの自分よがりな飼い方ではなく、互いに健やかに過ごすことを目指しましょう。

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参考:犬にウケる最新知識 (ワニブックスPLUS新書)(鹿野先生著書)

株式会社Animal Life Solutions 代表取締役社長 鹿野正顕先生

 1977年、千葉県生まれ。麻布大学介在動物学研究室(旧 動物人間関係学研究室)で人と犬の関係、特に犬の問題行動やトレーニングを研究、人と犬の関係学の分野で日本初の博士号を取得。麻布大学卒業後、人と動物の関係に関する専門家やドッグトレーナーの育成を目指し、株式会社Animal Life Solutionsを設立。犬の飼い主教育を目的としたしつけ方教室「スタディ・ドッグ・スクール」の企画・運営をしながらドッグトレーナーとして指導にも携わっている。2009年には世界的なドッグトレーナーの資格であるCPDT-KAを取得。日本ペットドッグトレーナーズ協会(JAPDT)理事長。

https://www.study-dog-school.com/member/entry/masaaki-kano-phd

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